令和7年1月17日(金) 読み通りの避難訓練
「絶対、今日の避難訓練。。。6校時だよな」校長室の前をユンタクしながら通る3年生男子の会話。。。
実は、二日前の1月15日(水)に火災・地震・津波避難訓練を複合的に想定して実施しました。
当初の学校年間計画から数ヶ月遅れての実施ではありますが、
「生徒には実施の時間は告げないことで、より緊張感・緊迫感をもって取り組もう」
「いつ起きるかわからない地震・津波に対して垂直避難訓練をしよう」
「自分で自分の命を守れる子を育てよう」と職員間で確認して実施に踏み切りました。
当日は午後からの強風と雨天による天候悪化により、地震・火災想定からの避難場所を運動場から体育館とその周辺への変更を余儀なくされました。
それも、3年男子の読み通り。。。6校時の時間帯に。。。
地震・火災からの避難は、授業からの動きであった為、全体の動きは非常に良く、3年生(253名)は避難指示から30秒で先頭集団が体育館に集まり、5分で点呼まで終了。2年生(240名)・1年生(270名)もそれぞれ30秒単位の遅れはあるものの問題のないレベルでした。
反面、その後の津波警報を想定した、、、本校3階にすべての生徒を避難させる垂直避難では、やはり、動きが鈍かったです。
特に3年生に関しては「先生方は、誘導はしない(実際は、危険箇所には教員配置済み)」「自分たちの判断で、(三カ所ある)階段を自由に選択して、素早く3階に集合してほしい」と新里教諭(3年生徒支援係)による自主選択による垂直避難への挑戦。。。を開始。。。しかし、子どもたちは、最短ルートとなる一カ所の階段に集中し混雑を招く現象が起きていました。
奇しくも今日は1月17日。。。30年前に阪神・淡路大震災があった日です。。。保護者の皆様であれば、少なからず記憶に残っていることと想います。地震発生直後の映像から、ビルや橋桁が倒壊し、その後の火災の広がりから天災の恐ろしさを感じたことを今でも覚えています。
それでも、まだ、阪神・淡路大震災では、津波の本当の怖さを感じてはいませんでした。。。
避難訓練後に子どもたちに聞き取りをしたところ、「ふつう」「緊張感がなかった」「いつもと変わらない」と素っ気ない返事。。。子どもたちなりに、避難訓練の意義は理解しつつも、自分の為になっているとは感じていないと痛感しました。。。
子どもたちを預かる学校として、子どもたちの命を守ることは最も大切で、必ずやり遂げなければならないことです。。。そんな中、子どもたちに「自分の命は自分で守る」を伝え、実行できる人間になるためには、学校の避難訓練は、より緊張感、より緊迫感もって実施する必要があるのではないでしょうか。
子どもたちが、避難訓練を通して「これはまずかった」「失敗だった」「ほかにも選択肢があった」「あの場面は、こうすれば良かった」と後悔させる必要があるのかもしれません。「指示通りで安全性確保最優先の避難訓練」は、いつかはやってくる地震・火災・津波の自然の脅威において、どれほどの子どもたちが自分の命を守れるのでしょうか。。。
奇しくも今日は、阪神・淡路大震災から30年目の1月17日
今の自分のおかれた境遇に感謝して、一日一日を大切に過ごして生きたいです。
校長からの今回の訓練の講評で、子どもたちに伝えました。
地震や津波の前では
勉強ができる・できない。スポーツができる・できない
まじめである・ない。いい子である・ない。。。そんな評価は無力だと。
試されるのは人間力。。まず自分を守る、そして他人を助ける。。そうあってほしい。。と
すべての子どもたちが人間力豊かな大人に成長を遂げますように。。。
学校長 新垣 和哉